メーモー火力発電所

10月24日(土)、CLLクラブ(チェンマイロングステイライフの会)の”自然を楽しむ会”の皆様方と大気汚染で名を馳せた”メーモー火力発電所”を訪れた。チェンマイから国道11号線をひたすら南下し、ランパーンを過ぎて15km程の所を左折すると、発電所の専用道路に入る。緑豊かな林に囲まれた丘陵地帯の中から、突然現れた横一列に並んだ10基の大型発電設備も壮観ならば東南アジア最大の石炭の露天掘り採掘現場の規模にも驚かされた。
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f0116707_23294897.jpg火力発電所は国営のElectricity Generation Authority 0f Thailand(EGAT)が運営している。1978年に1,2号機が稼働し、以降順次増設され、現在は13機中10機が稼働中(1~3号機は老朽化により廃炉)である。現在の総発電能力は2625MWでタイ国全体の発電量の10%弱を賄う能力となっている。

(写真は廃炉の1~3号機)
総発電量の50%が北タイ地区へ、30%が中央タイ地区へ、20%が北東タイ地区へ供給されている。
f0116707_22403661.jpgメーモーの露天掘り採掘場は褐炭と言う低品質の石炭で,採掘場は南北18.3km、東西8.8kmの広さである。確定埋蔵量821百万トン推定埋蔵量670百万トンの合計1491百万トンと言われている。1954年から開発が進められ、1978年に発電設備の稼働に伴って採掘量が増加し、2005年の12月現在で、264百万トン採掘済。現在は1500万トン/年位の採掘スピードでタイ全国の石炭使用量の70%以上占めていると言われている。タイ国内のエネルギー事情からすると、今後は7%/年で採掘量は増加すると予想されている。
f0116707_2301520.jpgここの褐炭は高水分、高灰分、高硫黄と大変扱いにくい石炭だそうである。きれいなゴルフ場に囲まれ、素晴らしい環境のリゾート地区に見えるが、1992年10月には住民および従業員の5%以上に当たる約1000人が呼吸困難めまい等で病院に駆けつける騒ぎを起こし、以来公害訴訟が継続されている。ようやく、日本の技術を導入し、脱硫対策は何とかクリアしたがPM(粉じん)およびHg(水銀)の排出が現在も問題視されている。訴訟は長期化しているが、相手が国営企業と言うことで、なかなか解決の糸口が見つからない様である。温暖化ガス排出規制が厳しくなる今日、石炭火力発電の増設は難しくなると思うのだが。まして、低品位炭の使用は。
我々が訪れた時も煙突からの煤煙が滞留し、黒い雲を形成して隣接のゴルフ場を覆っていたのには驚いた。
タイの発電事情は天然ガス70%石炭(褐炭)15%水力7%である。温暖化ガス排出抑制が叫ばれる中(石炭は天然ガスの2倍のCO2発生)、石炭発電は難しくなるであろう。
原子力発電については、原子力の使用について検討を始めた段階で、日本と技術支援協定を締結した段階と聞いている。
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by kentakajp | 2009-10-26 23:31 | タイ北部